花柳界の用語集

一本(いっぽん) 一人前の大人の芸妓さんのこと。
また、芸妓さんの30分の花代のことも一本といい、一本のお線香が燃え尽きるまでの花代をひとつの単位としたため、このように呼ばれるようになりました。
おあいそ お会計です。
最初は、お店の人が勘定書きを渡す時に使われ、歌舞伎で縁を切ると言う意味の「愛想づかしをする」という言い回しから来たようです。
お店の人がへりくだって「愛想尽かしな事ですが…。」と言ったことが始まりのようです。
置屋(おきや) 芸妓さんの所属する事務所(プロダクション)のような所です。
踊りを披露すること。
おすもじ/弥助(やすけ) お寿司のことを指します。
お茶を挽く(おちゃをひく) お座敷がかからず芸妓さんがヒマなことをこのように言います。
(おつ) 乙な趣味をお持ちですこと…などと使われる「オツ」ですが、これは、粋・引き寄せられるような美しさを言います。
三味線の甲高い調子音(甲)に対する低い音(乙)で、渋みのある物という意味があります。
お手塩(おてしょう・おてしお) お小皿のことを指します。
お冷や(おひや) 水のことです。水は流れることから忌み嫌い、お冷やという隠語が生まれました。
お約束(おやくそく) 芸妓さんのお座敷の予約のことです。
肩入れ(かたいれ) 役者や芸人、芸妓などに援助することを指します。
花柳界(かりゅうかい) 色町・花街などといわれますが、基本的には、お座敷を提供する待合・料理を提供する料理屋・芸者が所属する置屋の3業種から成り立つ世界のことを言います。
現在では、厳密にこれら3業種が分かれてはいませんが、料理を食べ、酒に酔い、芸妓さんと一緒にお座敷遊びを楽しむ…こんな世界の総称と考えて良いでしょう。
黒文字(くろもじ) 爪楊枝のことを指します。
黒文字の樹皮の表面には黒い紋様があり、芳香があるため、皮付きの爪楊枝に用いられるようになりました。
また材には去痰(きょた ん)作用があり、せきやたんを抑える効能もあります。
江戸時代には、小間物屋(化粧道具などを売る店)や楊枝専門店の店先で作られ、販売されていました。
芸妓(げいぎ) 芸者さんのこと。芸妓はおもに、関東で使い、関西では芸子といいます。
京都で有名な舞妓さんは半玉の芸妓さんのことを指します。
芸名(げいめい) 芸妓さんの名前。
源氏名という方がいらっしゃいますが、源氏名は遊女の芸名のことで、芸妓さんは「芸名」といいます。
検番/見番(けんばん) 料亭への芸妓の手配、料亭の予約手配、置屋、他花街の取りまとめなどをしているとこです。
また、芸妓の育成、お稽古、等々、伝統文化継承も行ってる花街では見番が重要な役割を担っています。
香のもの(こうのもの) お漬物・おしんこ のことです。
地方(じかた) 三味線・唄・鳴り物・笛などを受け持つ芸妓さんのことです。
仕込みさん(しこみさん) 芸妓になる前の女の子のこと。
まだ芸を仕込む期間のためそのように呼ばれています。
また、18歳未満でお座敷に上れない女の子の事もこのように言います。
自前(じまえ) 芸妓さんが独立して、自分の看板をあげて営業することを言います。
立方(たちかた) 踊りを披露する芸妓さんのことです。
花代(はなだい)
玉代(ぎょくだい)
お線香代(おせんこうだい)
芸妓さんを呼んで、お座敷遊びを楽しむための料金です。
半玉(はんぎょく) 一人前になる以前の芸妓さんのこと。
かつては、花代が一本の芸妓さんの半分だったことから、このように呼ばれるようになったそうです。
一座敷(ひとざしき) お座敷に入った芸妓さんがつとめる時間のことです。
清水では一座敷2時間で4本という単位です。